基本経済システム 「MAZU(マズ)」

・基本経済システム 「MAZU(マズ)」

語源
 語源は日本語の「まず(先ず)」です。「最初に」とか「ともかく」とかいう意味で使われています。


今の経済の問題点
 人々が集まって生活をするとき、色々な場面で協力して行動する共同体と呼ばれるモノが出来上がります。 この共同体は小さな村の場合も有るし、家族や親戚単位の時も有ります。そして、大きくなれば国家としてその存在を誇示します。

 この共同体に必ず必要であり揉め事の元になるのが、生産や採取などの労働の分担と成果の分配です。共同体が家族や村の場合には、 なんとなく共同体がスムーズに運営される様に、個人の裁量によって分配されることが多いようです。 しかし共同体が国家の様に巨大な場合には、労働が細分化されており、需要と供給の不一致や制度によって、 共同体を構成する人々に格差が生まれます。そしてそれは大きな社会問題となり、暴動や共同体崩壊につながる場合も有ります。

 国家のための経済システムとして主要なのは、共産主義と資本主義です。しかし、どちらも上手く行ってるとは言い難いでしょう。 共産主義は経済が停滞し多くの国で崩壊しました。また資本主義は無駄な製造や労働を生み、 弱者にしわ寄せが行きやすく格差の拡大とバブルの崩壊を起こしています。詐欺的経済活動も多くなり、 必然的に生まれる社会的弱者への社会保障も国家の大きな負担になっています。資本主義は経済を維持するために、 定期的な戦争を必要としている、というとんでもない説すら存在しています。
 つまり共産主義も資本主義も社会に大きな負担を強いており、ちゃんと機能してるとは言い難い状態です。


解決する方法
 まず基本として「共同体を維持する為の労働は、共同体全体で等しく負担するべき。」が基に有ります。 これが最も重要で、共同体にとって変えてはならない、もっとも基本的な理念になります。 つまり水、食糧、燃料、衣料、住居などの生活必需品は、共同体全体で均等に負担した労働によって生産され均等に配分されます。

 たとえば食糧生産の例を上げると、共同体の人々が必要とする最低限の食糧の生産を計画し、それに必要な労働量を算出し、 それを共同体に属する人々に「労働時間」として均等に割り振ります。これが「ノルマ」になります。
 このときに労働力で割り振りしてはいけません。労働力では個々の能力に差がありすぎるため、均等に割り振るのは不可能だからです。

 共同体に属する人々は、食糧生産の為にノルマの労働を「無償」で提供します。その見返りとして、必要な食糧を無料で得る事が出来ます。
 このノルマの労働時間は食糧だけで見ればそれほど多く無く、おそらく年間で一ヶ月以内ぐらいではないかと思われます。
 食糧以外の生産活動についても全体の労働時間を割り出し、それぞれを共同体に属する人々に均等に割り振ります。 その結果ノルマを達成した人は、最低限の生活必需品を無料で得る事が可能になります。

 このノルマの労働時間は、共同体を維持する為の無償の労働なので「社会奉仕」と呼ぶこともできます。 義務が有るためボランティアと呼ぶのは不適切でしょう。


特長
 ある程度発展したMAZUを考えた場合、その共同体に属する全ての人は、ノルマを達成する事で最低限の生活が保障されることになり、 理論上は生活貧困者は存在しなくなります。しかも今の生活保護制度の様に、不公平な裁量や支給が有りません。

 ノルマを達成した後は、個人が自由に使える時間となります。この時間を使って従来と同じ経済活動をすることも可能です。 つまり基本経済システムMAZUと、従来型経済システムが平行して動きます。
 空いた時間は自分の自由時間となり、趣味・旅行・娯楽・学習などに当てる事も可能です。 でも多くの人は空いた時間を自身の学習の為に使うでしょう。娯楽はどうしても飽きが来るからです。

 空いた時間で多くの人が、共同体を進歩させる為の研究や製品開発に取り組むでしょう。なぜならそれが、 個人の利益(ノルマの減少や生活の質の向上)に直結するからです。技術の進歩や業務の改善のノウハウは、 技術の進歩が隠蔽されたり妨害されたりせず正当に評価され素早く広がります。なぜなら、 早く知られ広く導入された方が共同体の利益となり、それが個人の利益にもつながるからです。
 自分の所で生産出来ない物は、少し余剰に作り交換してもらうか、販売して貨幣を得て購入します。

 「ノルマ」は共同体が進歩すればするほど少なくなります。


今の社会への導入メリット

 たぶん似た様なシステムは、昔から有ったし今も有ると思います。特に新しい発想でないと思いますが、 「MAZU」の大きな特徴は「労働と物の直結」です。これが基本で、労働と物の間に極力何も介在させない事を目指 しています。
 物と労働の間に介在するモノは、その目的が崇高で仕組みが完璧でも、やがて不正やトラブルが起きる基となり易いからです。 それゆえ共同体の参加者は、人や組織に奉仕するのではなく、ただ物を作る為にノルマが発生し協力し合います。 そして共同体を維持するために集まり相談し合います、この打ち合わせはノルマでは有りません。

 MAZUはあくまで必要最小限の基本経済システムなので、最初は小さく始まります。 おそらく狭い地域の特定業種ごとにMAZUを作り運営することから始まるでしょう。 このほうが労働時間の算出も割と楽に出来て管理もし易いと思います。
 当初は暇があり生活に困っている人や、もはや産業として維持が困難な農業や漁業関係から広まるでしょう。 これらの人はノルマを達成する事で食糧が分配されるので、生活が改善します。

 これには民間による弱者の救済につながり、今の生活保護制度の様に税金を必要としません。ゆえに現行法の国家において、 社会保障費などを抑える事につながります。
 今度大量に生まれる定年退職者などにおいては、有意義な社会奉仕に接する機会が増えることになり、生活の質を高められるでしょう。
 たとえMAZUが数多く増えても、従来型市場経済システムを補完する形ですので、 急激な変化もありませんし経済の発展が阻害される懸念も有りません。逆に空いた時間で失業の心配をせずに、 思い切った新規事業や製品開発へ取り組め、ダイナミックな社会の発展につながる可能性の方が高いでしょう。 少なくとも社会を今より安定させます。

 このようにMAZUは始まりは小さくとも、社会に悪影響を与える事なくゆっくりと広がる事が可能です。 その過程で多くの生活で苦しんでいる人を助ける事が可能です。社会に取っても存在メリットは大きいと思います。
 そして少しづつ広がり、または統合を繰り返して行けば、大きなうねりとなる事も不可能では有りません。 なにしろMAZUは異業種でも同業でも、合併することで大きな問題は発生しません。問題が出れば分裂も簡単に出来ます。 何故ならトラブルの元となるモノがほとんど介在して無いからです。

 この基本経済システム「MAZU」の最も大きな成果は、教育や医療分野まで発展させる事ができた場合に起きます。 生活保障と教育や医療の完全無料化を成し遂げても「新たな税金負担は0円」で済ませることも可能だからです。 今この国を悩ませている年金や医療や社会保護など、膨大な労力や費用を劇的に削減し根本的に解決する事が可能です。

 「MAZU」は税負担無しに貧困と生活不安を減らします。


問題点など
 食糧などの生活必需品の配給には輸送コストが掛かるため、地域単位での共同体の形成が必要になり、 巨大なMAZUの運営には難しい面が有ると思われます。また複数のMAZUが同時進行して行った場合、MAZU間で格差の問題も出るでしょう。

 導入に関して従来の土地や設備の扱いをどうするか、この最適な手段が確立されていません。おそらく、 いろいろなトラブルが発生するかもしれません。特に法律や制度上のトラブルは、面倒で複雑な物になるかもしれません。
 経済システムとしては、現行法で全く問題は無いと思われますが、新しい法律制定によっては白い物が黒くなりますので、 これについては予測がつきません。

重要な事
 「MAZU」はあくまで理屈でありアイデアです、色々な変化が考えられ改良して行く事が可能です。しかし、 あくまでも基本理念は「共同体を維持する為の労働は、共同体全体で等しく負担するべき」 です。 これが大原則であり、これを変えたものは「MAZU」とは呼べません。

 あらゆる人、たとえ国家元首であろうと大企業の社長であろうと、MAZUに属すれば他の人と平等にノルマが存在します。 土地や設備を提供する人も経営者ではありません。ノルマは平等に存在します、MAZUに経営者は存在しません。 財産や地位に関係なく全員が平等です、ノルマ回避は出来ません。
 土地や設備を提供してくれた人に対して報酬が必要な場合は、必ず生産された物で支払ってください。 それも割合で支払ってください。生産物以外の物を絶対に介在させないでください。

 労働は本人の能力に合わせて割り振ってください。キツイ仕事は力の有る人、軽い仕事は力の無い人に割り当てた方が、 全体の労働時間が減少しノルマの減少につながります。事業の遂行に伴う生産管理もノルマに入ります。 ただし事業計画や研究開発はノルマでは有りません。ノルマは生産に直結する労働に発生します。もし事業計画を考えたり、 生産技術を研究している人が不満を感じたら、その作業を中断し休暇をとり休んでください。それが最善の手段です。
 もし事業計画に狂いが出た場合は、全員のノルマを等しく増やしてください。その部署だけ残業するなんて事は決してしないでください、 事業が計画通り進まない原因は共同体に有ります。たとえ誰かが失敗しても、その原因は適切に人員配置をしなかった共同体に有ります。 全員でカバーしてください。
 病気やケガやその他の障害がある場合は、作業が不可能な場合も有るでしょう。その場合は、ノルマはあくまで労働時間なので、 なるべく負担の少ない作業を割り当ててください。その方が全体のノルマは減少します。

 導入したり募集したり応募される際も、従来の雇用者と労働者との関係では無い事を絶対に忘れないでください。 MAZUに経営者は居ません。人や組織に奉仕するのではありません、最も効率よく物を作る為に協力し合います

 あいことば「MAZU 始めよう。みんなの為に、地球の為に。」


作成2008.7.27初版
序章  基本経済システム「MAZU」(このページ)
1章  グローバル経済の行き着く先
2章  MAZU経済の発展と最終形態
3章  MAZU経済の理想
4章  新しい国の形
ホーム

このページはリンクフリーです。元は2chオカルト板です 「新しい世界を作ろうとおもうんだけど 2」
欠点指摘、議論等があれば↑にお願いします。私もここで発想を得ました。感謝

昔から考えていた事や改めてひらめいた事を形にしてみましたが、どうなんでしょうね〜
まだまだ足りない気もしますが、複雑のも嫌ですし、私も今のところ口だけです(笑)。みんなで作ってください・・・

あと、ここに記載してる内容から逸脱している共同体や思想をMAZUとは呼ばないでください!
以上よろしくお願いします

どうしても個人的なお問い合わせがあれば、次のメールアドレスにお願いします
以下は、2009.9.27修正
返信しない場合もあると思いますがご了承願います mazumada@gmail.com exa@pipi.jp
2ch経済板にもカキコした、ここは議論が活発だった。